病院で何を話せばいいのか分からなかった|診察で困っていたこと

執筆者:

カテゴリ:

この記事は、私自身の体験を書いたものです。診断や治療についての助言ではありません。診察で話せないことに困っている方の、ひとつの参考になればと思って書きました。

病院の診察で困っていたことを書いた記事のイメージ画像

「どうですか?」に、どう答えればいいのか分からなかった

大人になってから、病院の診察で困ることがありました。

先生からたくさん質問されるわけではありません。診察室に入ると、「どうですか?」と聞かれます。私は、その一言にどう答えればいいのか分かりませんでした。

  • 何を話せばいいのか
  • どこまで話せばいいのか
  • 何を大事なこととして伝えればいいのか

それが、私には分かりませんでした。

紙に書いて持っていく方法を提案してもらった

そんな私に、先生が「あらかじめ紙に書いて持ってきてみたらどうですか」という方法を提案してくれました。

それから私は、自分の状態や気持ちを紙に書いて、診察のときに先生へ渡すようになりました。その方法が、何年も続きました。口でうまく説明することは難しくても、紙に書くことなら、少し伝えやすかったからです。

紙に書いていた内容は、毎回それほど大きく変わりませんでした。今振り返ると、私はずっと、焦りや不安を抱えていたのだと思います。何をどうしたらいいのか分からない。このままでいいのかも分からない。そんな気持ちが、いつもどこかにありました。でも、それを診察室でうまく説明することはできませんでした。

診察メモの書き方の例

私のやり方をもとに、診察のメモに書く内容の例をまとめます。全部を書く必要はありません。

  • 今いちばん困っていること(1〜2行でかまいません)
  • 前回の診察から変わったこと(よくなったこと、悪くなったこと)
  • 先生に聞きたいこと(薬のこと、生活のことなど)
  • 今日話せなかったときのために、伝えたいことの順番

話すのが難しいときは、メモをそのまま先生に渡してもよいと思います。私は、診察のはじめに紙を渡して、先生に読んでもらっていました。

「他に何かありますか?」にも困っていた

診察の最後に、「他に何かありますか?」と聞かれることがありました。その質問にも、困っていました。

何かはある。でも、「何を言えばいいの?」と思っていました。話したいことが何もなかったわけではありません。困っていることも、不安なこともありました。ただ、それをその場で選んで、順番をつけて、言葉にして伝えることが難しかったのです。

事前にメモを作っておくと、この質問にも、メモを見ながら答えられます。

沈黙しても、待っていてくれた先生

診察では、沈黙が続くこともありました。それでも先生は、急かさずに待っていてくれました。私が話せるまで、待ってくれていました。

うまく話せない私にとって、待ってもらえることは、それだけで安心につながっていました。

私に合った伝え方を考えてくれた

今思うと、紙に書いて持っていく方法を提案してくれたことには、とても感謝しています。「話せないなら仕方がない」で終わるのではなく、私が伝えやすい方法を考えてくれました。

話せないから、何も考えていないわけではありませんでした。伝えたいことがないわけでもありませんでした。どうやって伝えればいいのか分からなかっただけです。

病院を変えて、話しやすくなった

病院を変えてからは、以前より話しやすくなりました。話を急がせず、こちらの話を聞いてくれる先生だと、安心します。「ちゃんと聞いてもらえる」と思えるだけで、話しやすさがかなり違います。

今は、診察で話したいことをあらかじめメモして、それを見ながら話しています。先生から質問されたことには、答えることができます。

訪問看護で話すことも、助けになっている

私は訪問看護も利用しています。病院の診察は時間が限られているので、伝えたかったことを全部話せないことがあります。そんなときは、訪問看護師さんに、病院で伝えきれなかったことを話します。ちょっとした雑談のようなことを話すこともあります。

話を聞いてもらうことで、少しずつ心が軽くなるように感じます。私にとっては、病院だけではなく、訪問看護を利用することも、安心して話せる場所を増やすひとつの方法になっています。

診察で話せない人へ

診察でうまく話せないことは、あなたのせいではありません。事前にメモを作る、紙で伝える、待ってもらえる先生を探すなど、伝え方を工夫してよいと思います。「話すのが苦手なので、紙を渡してもいいですか」と最初に伝えてみるのも、ひとつの方法です。

あわせて読みたい


この記事を書いた人
かおり。選択性緘黙とASDの当事者です。プロフィールはこちら

この記事は私個人の体験をまとめたもので、医療上の助言ではありません。体調が心配なときは、医療機関や専門の相談窓口に相談してください。詳しくは免責事項をご覧ください。