待ち合わせ場所で、ただ待っていた
その頃は、まだ携帯電話やメールがない時代でした。連絡を取ることもできず、私は待ち合わせ場所で、ただ友達が来るのを待っていました。30分くらい待ったと思います。それでも友達は来ませんでした。

「約束したのに、どうして来ないの?」「友達だと思っていたのに、なぜ?」。だんだん、悲しいというよりも怒りが湧いてきました。約束を破られた、裏切られたように感じて、とても悔しかったのを覚えています。
「約束した覚えはない」と言われた
後日、その友達に会ったとき、私は待ち合わせのことを聞きました。すると友達から、「約束した覚えはない」と言われました。私は驚きました。私の中では、確かに約束をしたつもりでした。だからこそ、30分も待っていました。「私は約束したと思っていたのに、どうして?」。その言葉を聞いても、すぐには納得できませんでした。
今振り返って思うこと
今振り返ってみても、あのとき何が食い違っていたのか、本当のところは分かりません。ただ、私にとって「約束」は、とてもはっきりしたものでした。約束したのなら、その時間、その場所に行く。それが当たり前だと思っていました。
今思うと、私は言葉をそのまま受け取っていたのだと思います。相手にとっては軽い話だったのかもしれません。でも私にとっては、一度交わした約束は守るもの。その認識が相手と違っていることに、当時の私はなかなか気づけませんでした。
ASDだと分かった今、思うこと
大人になってASDだと分かってから、昔の出来事を振り返ることがあります。あのときの私は、「約束した」という言葉をそのまま受け取り、相手も同じように考えていると思っていました。今なら、同じ言葉を交わしていても、お互いの受け取り方が違うことがあると分かります。
だからといって、あのとき感じた怒りや悔しさがなくなるわけではありません。ただ、「どうして?」とずっと分からなかった出来事を、今は少し違う角度から見られるようになりました。
今なら、前日に確認すると思う
今振り返ると、あの出来事は、引っ越してきたばかりの私をからかっていたのかもしれません。当時は電話もメールもなく、私はただ待つことしかできませんでした。
今なら、前日にLINEで「明日、楽しみにしてるねー♪」と送っておくと思います。それでも相手が来なかったら、「大丈夫?」とLINEで聞きます。返事がなかったり、納得できないことがあったとしても、今の私はそれ以上深く追求しないと思います。相手の気持ちをずっと考え続けるより、そこで終わりにして、自分の気持ちを切り替える方がいい。今はそう思っています。
約束のすれ違いを減らすためのひとこと
私の場合は、約束の前に文字で確認しておくと安心です。
- 前日に、日時と場所を文字で送っておく
- 当日、連絡がつかないときは、何分待つかを自分の中で決めておく
- 来なかったときは、責めるより先に、「大丈夫?」と聞いてみる
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この記事を書いた人
かおり。選択性緘黙とASDの当事者です。プロフィールはこちら
この記事は私個人の体験をまとめたもので、医療上の助言ではありません。体調が心配なときは、医療機関や専門の相談窓口に相談してください。詳しくは免責事項をご覧ください。